第十六話
闇は破れ空は晴れる
烈破「逃げろ……烈空。」
烈破頑駄無は王毒竜の攻撃から流星頑駄無を庇い倒れてしまった。
流星「なぜ……なぜ庇った烈破!」
王毒竜「バカな奴め……壊れた“身体”などもう要らぬ。」
王毒竜が牙忍毒竜刀を振り上げ烈破頑駄無にトドメを刺そうとした。
しかし流星頑駄無はそれを受け止めた!?
王毒竜「腰抜けが邪魔をするな!」
流星「……たしかに、俺は戦いから逃げた腰抜けだ。今でも……逃げたい、だけど!」
流星「ここでも逃げてしまったら俺は轟天様の死を悲しむ資格すらも失ってしまう!!だから……!!」
王毒竜「ならばあの世へ!轟天に会いにいくがいい!」
流星「だから俺は…天、来、変、幻…!!」
烈(はげ)しい光が空を破り、“烈空の鎧”が顕れた!!
烈空「今だけでも俺は “烈空頑駄無” に戻る!!」
王毒竜「こしゃくな!」
烈空頑駄無が王毒竜に立ち向かう。しかし分はまだ王毒竜にある。
王毒竜「威勢は良かったが!終りだ!!」
烈破「さ、せ、る、かッ!!」
劣勢の烈空頑駄無に烈破頑駄無が加勢する。
王毒竜「烈破!まだ動けたか!?」
烈破「どうやら寝ている場合では無いようなのでな!」
烈破「烈空!!合わせるぞ!!」
烈空「おう!!!」
二人の“烈神”のコンビネーション。
それは長く袂を断っていたとは思えぬ阿吽の連携であり、王毒竜は膝をついた。
王毒竜「ぐぬぬ……ならば闇変幻!!」
王毒竜の闇変幻!その姿は……
烈破「その姿……まさか魔殺駆か!?」
魔殺駆「そうとも!霊魂と成り果てようとも我が怨みは消えぬ!!俺は何度だって……」
???「だが、そう何度も復活されても困る。そろそろ“僕の身体”から出て行ってもらおうか?魔殺駆さま!」
王毒竜の“内側”から聞こえる“声”
魔殺駆「鉄斗羅の声?……キサマまだ意識が?なんだ?身体が?動け!どうした何故動かぬ!」
鉄斗羅「今だ!烈神達よ!!」
烈破「やるぞ!」
烈空「ああ!!!」
烈破「悪鬼!滅殺波!!!」
烈空「飛燕返し!威斧!!!」
烈破と烈空、二人の必殺の剣が魔殺駆を斬り裂いた!
そして……
鉄斗羅「ようやく、魔殺駆を追い出せたぜ!感謝するよお二人さん。」
烈空「どうやら本物の鉄斗羅?……のようだな。」
構える二人、だが……
鉄斗羅「警戒しないでくれ、僕は大将軍に忠誠を誓っているわけではない。君達と戦うつもりもないよ。」
霧が晴れてきた。
鳥飛亜と襲弐も目を覚ました。
烈空「鉄斗羅殿、君はこれからどうするのだ?」
鉄斗羅「もとより僕は大将軍の首を狙っていたんだ。あの三烈神が味方ならば勝ちの目がある。そちらにつかせてもらうよ!」
鉄斗羅を仲間に加え、一同は不論帝悪村へ向かう。
次回を待て!
written by : スモコ @sumokosumoko