第十八話
絶望の翼、希望の翼
(俺達の歴史が間違っているから消えろだと?)
(俺は“争い起こす全ての者”を倒したその先に天宮の安寧があると信じ戦い続けてきた。…………なのに!!)
ならば信じ続け、戦い続けなさい。
(…………お前は?)
鳳凰像から出現したのは黒い鳳凰であった。
駆路守『黒い……鳳凰?』
飛天「バカな…暗黒鳳凰(ダークフェニックス)だと!?」
千力「みんな気を付けろ。何かする気だぞ!!」
暗黒鳳凰は跳躍し、そして荒鬼頑駄無の傍らに降り立った。
(さぁ、力を求め………叫びなさい。)
荒鬼頑駄無は叫ぶ。
荒鬼「降、魔、変、幻……!!」
すると、暗黒鳳凰は“鎧”となり荒鬼頑駄無を包みこんだ。
千力「くる!」
超スピードで襲いかかる荒鬼頑駄無。
駆路守は千力頑駄無、飛天頑駄無の三人で応戦するも蹴散らされてしまう。
駆路守『くっそ!なんてスピードだ!?』
飛天「まるで歯が立たない……!」
荒鬼「………トドメ……だ!!!!!」
千力「ま、まずいぞ!!」
“銀狼剣”はいつの間にか荒鬼頑駄無の手の中に!
荒鬼「黒滅っ……!!」
銀狼剣が黒く輝く……!!
荒鬼「…………一閃斬!!!!!」
荒鬼頑駄無が放った斬撃は黒い閃光となり駆路守達を襲う!!
しかし!!!
千力「グハッ!…………みんな、大丈夫……か?」
荒鬼「己の身を盾に庇ったか……千力。」
しかし千力頑駄無は身を呈して皆を庇った。
飛天「千力!!!!!!」
駆路守『俺達を庇って……?』
荒鬼「フン……もはやキサマ達では俺に勝てはしない………………不論帝悪村」
駆路守『……何!?』
荒鬼「不論帝悪村なんだろ?……お前達の本拠地は?」
駆路守『…………』
荒鬼「既に爆流が不論帝悪村へ大軍を率いている筈なのだがな……ククク」
荒鬼「アーハハハハハハ!!」
荒鬼「今の俺ならば一跳びで不論帝悪村へ跳び、あの忌々しい轟天の忘れ形見を屠り!キサマの仲間を皆殺しにし!全てを蹂躙しするパワーがある。そしてぇぇぇ!!!」
荒鬼「そして最後に……絶望したキサマを殺してやる!!!!」
そう言い残すと荒鬼頑駄無は超スピードで飛び去ってしまった。
立ち尽くす駆路守。
駆路守『ここまで来ておきながら……』
すると
千力「おさがりで……悪いのだがね。」
千力頑駄無は“古びた石”を取り出した。
千力「これは、私がかつて得た、“大将軍の力”……その残滓(ざんし)。君が……大将軍の資格を持つ者なら、必ず君に……君に応えるだろう。」
駆路守『大将軍の力……だったもの?』
飛天「駆路守!呆けてる暇は無いぞ!乗れ!!」
駆路守『…これは!?』
飛天「璽威猛隼(ジーファルコン)!俺が造った超時空戦闘艇だ!こいつで荒鬼頑駄無(やつ)を追い超して不論帝悪村へ向かう!」
駆路守『間に合うのか……?』
飛天「こいつを使って俺はこの世界に来た。《無理矢理間に合わせる》のさ!次元を飛び越えてな!」
「次元跳躍装置起動!」
「世界線維持、空間跳躍、申の方角百十四里!時間跳躍、ぷらまい零刻!」
「目標:“この時代”の不論帝悪村!!」
「たのむぜ璽威猛隼…!跳躍開始!!!!」
『待ってろよ……みんな……姫天!!』