第二十一話
光が集う刻
再び動き出した大鋼。
鳥飛亜は大鋼の中に“弟”の気配を感じとるのであった。
鳥飛亜「そんな!お前は、お前は“まだこの世界に生まれていない”のに何でその中に居るの!?」
姫天「鳥飛亜、どうしたのですか?何か知っているのですか?」
鳥飛亜「あの中に………大鋼の中に僕の“弟”がいるのかもしれないのです。」
姫天「弟……?」
駆路守『…………わかった!』
鳥飛亜「駆路守さん…?」
駆路守『何故だかわからないけどな、俺もあいつをどうにかしてやりたいって気がするんだ。それにな、鳥飛亜。ここには天宮の未来を取り戻す為に戦う者達がこんなにも集結しているんだ!お前の弟一人ぐらいなんとかしてみせるさ。』
大英雄・轟天頑駄無の縁者達はその志を受け継ぎ立ち上がった。
別たれた三烈神も再び集結した。
そして天宮の未来を願う多くの勇士達はここに集まっている。
天宮を想う多くの勇士がここには集っているのだ!!
鳥飛亜「駆路守さん、その光は?」
駆路守『これは……千力殿からもらった“石”が!』
「その石」に力など残っていなかった。
しかし「器」としては十分であった。
皆の想いが「その石」に集まり、そして……
「光」に至る!
鳥飛亜「それは!頑駄無結晶!?」
駆路守『千力殿……この力使わせてもらうぞ!!』
襲弐「光が駆路守に集まる……?」
飛天「これだ、これぞ真なる“大将軍”…!」
駆路守に集まる光はやがて形を成して“鎧”となった!
そして……
駆路守の元に飛来した銀の流星。
鳥飛亜「あれは!銀の楯!?」
姫天「正義の象徴が駆路守を認めた……!」
駆路守『……巨人よ、止まれェーー!!』
駆路守から放たれる光。
光を浴びた大鋼は憑き物か落ちたように静かに停止するのであった。
沸き立つ一同。
しかし、そんな空気を一瞬で変えるような突風が巻き起こった。
荒鬼頑駄無である。
荒鬼「なぜ……キサマ達が先にいる?それに爆流、負けたのか?……そうか。」
荒鬼頑駄無は姫天頑駄無目掛けて斬りかかる!
荒鬼「だがっ!大将首を取ってしまえばぁーー終いよ!!」
しかしその刃は届かない。
停止したと思われた大鋼がその巨体で姫天頑駄無を守ったのである。
荒鬼頑駄無の一撃を受け、崩れ落ちる大鋼。
鳥飛亜「裏空ッ!」
荒鬼「チッ、爆流の木偶が邪魔を!だが今度こそ。」
獣王「邪魔なのは君のほうだよ。荒鬼!」
突如、陽炎のように現れた獣王頑駄無は能照素(ノーティラス)を魔獣武装し荒鬼頑駄無に襲い掛かる。
すると咄嗟の判断であったのだろう。鉄斗羅頑駄無も背後から忍びより荒鬼頑駄無に斬りかかっていた。
荒鬼「フン!それで超将軍を超越した俺に勝てると思っているのかァ?獣王!鉄斗羅!!!」
荒鬼頑駄無は銀狼剣から放った衝撃波で二人を吹き飛ばす。
鉄斗羅「クッ……盟鎧毒竜装(メガドクリュウソウ)で強化した僕よりも速いだと?」
荒鬼「残念だよ獣王。俺はお前を超将軍の中で最もかっていたのに。今では裏切り者とはな……お前もだ!鉄斗羅!!」
鉄斗羅「こいつ……!いつの間に大将軍並の力を…………?」
荒鬼「何人束になろうとも俺には勝てはしない!それがお前達、超将軍だとしてもだ!!」
荒鬼頑駄無の銀狼剣が二人の超将軍を襲ったその時……!
割って入った駆路守が銀の楯で荒鬼頑駄無の斬撃を防いだ!!
駆路守『そこまでだ!荒鬼頑駄無!ここでお前との決着をつける!!』