第二十二話
その正義が照らす未来
千力「“邪悪な気配”が強くなっている。やはり銀帝城には私一人で……」
風車「何言ってるんですか!千力殿はとっくに仲間なんですよ。」
うっかり「そうでやんす。さぁ飛ばすでやんすよ!」
千力「みんな……ありがとう。」
一方でここ不論帝悪村では、大将軍の力を得て覚醒した駆路守と荒鬼頑駄無の決戦が始まろうとしていた。
駆路守『荒鬼頑駄無!ここでお前と決着をつける!!』
荒鬼「銀狼剣に認められた俺の正義と銀の楯が認めたキサマの正義!どちらが真の正義なのかここで教えてやるわ!!」
駆路守『いくぞ!荒鬼頑駄無!』
激しく斬り結ぶ駆路守と荒鬼頑駄無。
荒鬼「ハッハハハハハ!どうした反逆者。圧されているじゃないか?やはり我等の!大将軍さまの!俺の正義こそが正しいのだ!!」
荒鬼「キサマ達はわかっていない。この天宮は幾度となく脅威にさらされてきたのだ。だからこそ必要なのだ!大将軍さまが目指す何者にも脅かされぬ強固なる天宮千年帝国が!!」
荒鬼「何者にも脅かされぬ強い天宮を!未来永劫負けぬ強固なる天宮を作るのだ!銀狼剣も俺の正義を認めている!その楯ごと砕け散れ!反逆者!!!!」
駆路守『ふざけるなよ……』
荒鬼「何?」
駆路守『今を見ないお前達が、未来を語るのか!?』
駆路守『天宮に住む人々は今!泣いているんだぞ!そこに目を背け続ける頑駄無軍団の正義なんかに俺達は負けられない!!』
荒鬼「やはりわからぬか。今はその地盤を造る時なのだ。やがて訪れる永遠なる平和の為に!」
駆路守『お前達が未来の先まで天宮を守るつもりなのはわかったよ!……だけどなぁ!!』
駆路守『未来の天宮はその時代に生きる者達が守ってくれる!そう俺達の子や孫達が!俺達が真駆参大将軍と共に闇帝王と戦ったあの時のように!その時代を生きる武者頑駄無が!!』
荒鬼「ぐっ!こいつ急に!?」
激昂した駆路守に圧されはじめる荒鬼頑駄無。
駆路守『時代を未来に繋いでいく為に、俺達はこの時代を守る。それか俺達の正義だ!!』
駆路守は握り締めた銀の楯で荒鬼頑駄無を殴り飛ばす!!
駆路守『お前の正義は“誰の為の正義”だ!荒鬼頑駄無!!』
荒鬼「グッ……このォォ!!!」
駆路守が放った渾身の一撃に殴り飛ばされる荒鬼頑駄無。
荒鬼「ぐっ……身体に力が入ら…………!」
駆路守『終わりだ、荒鬼頑駄無!』
荒鬼「ク、クソォォォ…………ゥゥゥゥ!!」
駆路守が荒鬼頑駄無にトドメを刺そうとしたその時。
???「コーーール!!!」
何者かの声が聞こえたと思った瞬間。荒鬼頑駄無は姿を消していた。
鳥飛亜「荒鬼殿が消えた……!?」
獣王「“彼”です。彼に任せておけば問題ないでしょう。」
鳥飛亜「そうですか……彼が、“光焔”が来てくれたのですね。」
駆路守『彼とは誰だ?鳥飛亜。それに獣王、どうやってここに?』
鳥飛亜「それは僕から説明を……」
BH「いいや、ここからはわたくしが説明してさしあげましょう!」
暗闇の底から声が聞こえた。
BH「わたくしの名はバロックハンド!真駆参大将軍さまの<右腕>を務めさせていただいています。わたくしがサプライズで<手回し>させていただいた“大鋼のBLACKBOX”。」
BH「これを回収しに来てみれば、かの光焔氏の気配がするではありませんか!ですのでェ……」
BH「ですので!<先手>を打たせてもらいます。あなた方を特別に我等が銀帝城へ招待させてもらいますよ……そぉれ!コーーーール!!」
バロックハンドがコールと叫ぶと一同は不論帝悪村から姿を消した。
そして、
荒鬼「……ここは、どこだ?」
光焔「ようやく会えたな。荒烈駆主。いや……今は違うのだったな。」
荒鬼「お前は誰だ……なんだ?…………泣いているのか?」
光焔「いやすまん……では説明をしようか。この世界の抱えている本当の問題。そしてその解決法を!私はその為にこの世界へ喚ばれたのだから。」
ついに明かされる“欠落した世界の真実”。
次回を待て!
written by : スモコ @sumokosumoko