第二十三話
世界の真実
BH「よ~うこそ!次元の歪みの極地たる銀帝城へ!!」
駆路守達はバロックハンドの召喚魔法により銀帝城地下大空洞に転移させられた。
鉄斗羅「お前は大将軍の腰巾着の!?」
獣王「狩主斗……いや!」
鳥飛亜「ついに姿を現したな。バロックハンド!」
BH「おやおや……“飛駆鳥という存在を奪われた”というのにまだこの世界から消えていなかったのですねぇ?鳥飛亜くん。」
駆路守『鳥飛亜……?』
BH「あらぁ~!もしかして知らないようですねぇ。駆路守さん。その鳥飛亜くんこそ、次代の大将軍として産まれてくる筈だった存在。しかしながらわたくし共の“世界改造”の影響で誕生することすら叶わなかった哀れな存在。」
BH「駆路守さん!彼こそ本来産まれている筈だった貴方の息子、”飛駆鳥” なのですよ!もっともそこにいる“鳥飛亜くん”は“世界の修正力”を利用して不完全なカタチでこの世界にしがみつき、消えずにいる影法師のようなものですがね……ククク。」
駆路守『鳥飛亜が?……俺の息子だと!?』
鳥飛亜「僕は産まれることなく消える筈だった。だけど“世界の意志”は僕にチャンスをくれた!飛駆鳥が世界に存在する可能性、その全てが消えてしまう前に“未来の可能性の全て”をかき集め“存在”をこの時代に前借りした。僕はこの世界を修正する為、“今”存在している。お前の企みを止める為に!!」
BH「ハッハハハハ!できますかねぇ?鳥飛亜くんに!!わたくしとわたくしの“軍勢”は強いですよ?さぁ……本来の歴史から外れ、独自進化したSD世界の戦士達、#SD共栄圏 の猛者達よ。我が召喚に応え、闇の底から現れよ…!」
BH「コォーーーーール!!!」
バロックハンドが“コール”と唱えると、見慣れぬ姿をしたSD戦士達が大軍となって現れた。
「ここが新たな戦場か……」
「貴公らに恨みは無いが“契約”には逆らえん。」
「俺の“亥の拳”が強者との闘いに喜び奮えておるわ!」
襲弐「駆路守!くるぞ!!」
駆路守『クッ!まずはこいつらをどうにかしてからか!?』
鳥飛亜「絶対に倒してやる!僕はその為に“生きている”のだから!」
BH「ハハハ!どうにかできますかねぇ?」
バロックハンドによって召喚されるSD戦士達。
絆我斗衆は次々と召喚戦士を打ち倒していくも
無限と思える程に召喚される猛攻に徐々に圧され始めてしまう。
だがそんな激戦の最中、光り輝く焔が召喚戦士の軍勢を焼いた!
獣王「来てくれたか。“光焔のウイングゼロ”!」
BH「やれやれ……やはり邪魔をしに顕れましたね……“光焔”!」
光焔「私もこの世界に直接干渉するつもりはなかったさ。だがどうしても見逃せなくてなってね…………バロックハンド!SD共栄圏の“縁”!悪用することは許さない!!」
BH「ハハ!今更あなたが干渉したところでもうこの世界は既に“基準世界”から大きく外れた!<手遅れ>ですよ!もう修正は効かなぁ~い!!この世界は新たな神の下に生まれ変わるのです!」
鳥飛亜「だからと言って、この世界をお前の好きにはさせない!光焔さん。あれを……!」
光焔「…………良いのか?あれを使えば君の存在は燃え尽きてしまうぞ。」
鳥飛亜「僕の使命を……いや、それでも僕は僕の願いを叶えたい!」
駆路守『鳥飛亜まて!何をするつもりだ?』
BH「今更無駄だと!言っているだろ!!なにをしている木偶共!!あのガキと赤いのを早く潰しなさい!!」
バロックハンドに操られ、残りの召喚戦士達は鳥飛亜と光焔に襲い掛かる、が。
光焔「男の覚悟の邪魔をするなァー!!」
激昂した光焔の“焔”は召喚戦士を呑み込み激しく燃え上がった!
鳥飛亜「何も無かった僕にも今は思い出がある。親子にはなれなかったけど、仲間として“絆”はできましたよね?」
駆路守『待て……』
鳥飛亜「絆我斗衆のみなさん。ありがとうございました。僕は、仲間のみなさんの世界を守りたい!」
駆路守『待てって!』
鳥飛亜「僕は“絆”を守る!その為にこの世界に来たんだ!!」
光焔「…召喚(コール)!」
鳥飛亜「天来変幻!!!!」
駆路守『鳥飛亜!』
光焔が召喚した白き鳳凰。白鋼迦楼羅(ホワイトガルーダ)。
まばゆい光を纏った鳳凰は鳥飛亜と一体となりバロックハンドに立ち向かう!
BH「白い羽衣……まるで死装束ですねぇ……ならばこちらも真の姿で……な、何ィ!」
バロックハンドも“覇界拳”へとなるも鳥飛亜の超スピードに【手】が出せずただ斬りつけ翻弄するのであった。
そして、
BH「ク!“裏空のブラックボックス”が!?」
鳥飛亜「返してもらったぞ!未来の可能性……!」
鳥飛亜が“裏空のブラックボックス”を開くと、中から一つの光が飛び出し、姫天頑駄無の中に消えていった。
姫天「……え?」
鳥飛亜(これで未来は繋がる。僕の代わりは舞威丸が……)
BH「おのれ……おのれ!あ、あなたはこんな“模倣世界”の為に命を懸けるのですか?神無きこの世界は消えるしかないのに!だからわたくし共が“神”を据えて!世界を救済してやると言ってんのがわからないのかぁ!ガキーーーーィ!」
鳥飛亜「神(おまえたち)が居なくてもこの世界は生きていく。僕の仲間は!この欠落した世界にあっても、未来を諦めたりしなかったのだから!」
BH「だが!お前は消えるぞ!!ハハハ!哀れなガキめ!!」
鳥飛亜「そうだな。僕は消える。でも未来の可能性は残せた。もう怖くはない。お前も消えるんだ!バロックハンド!!!」
BH「こんのぉーーーガキがーーーーー!!!」
鳥飛亜「鳳凰魔破斬!!」
鳥飛亜は全霊の力でバロックハンドにぶつかった。
その衝撃は激しい光となって、そして消えてしまった。
駆路守『鳥飛亜ーーー!』
駆路守の悲痛な叫び。しかしそれに応えたのは違う男。
真駆参「随分と女々しくなったな。烈光。」
駆路守「真駆参……お前らは!」
真駆参「悲しむ必要はない。お前もすぐ“息子”の後を追うのだから。この“神聖大将軍”が!救済してやろう。」